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月3万円の貯蓄型保険を1年で解約した話

貯蓄型保険 月3万円を1年で解約した話

社会人になってから、月3万円の貯蓄型保険に入っていた。

1年で解約したが、返ってきた金額は払い込んだ額を下回っていて、何十万かのマイナスだった。

いま家計簿をつけているのも、固定費を見直したのも、証券口座で積み立てを始めたのも、全部この一件のあとの話になる。

目次

実家暮らし、バイトで月10万。そこから社会人になった

学生の頃は実家暮らしで、バイトで月10万円を超えたことがなかった。それでも生活には困らない。家賃としていくらか入れてはいたが、それ以外はほとんどかからなかった。

社会人になって、突然20万円以上が毎月入ってくるようになった。

正直、うはうはだった。

使い方なんてわからない。半分くらい残ればいいだろう、くらいの感覚で、なんとなく過ごしていた。目標もなければ計画もない。ただ口座に入ってきて、なんとなく減っていく。

気づけば次の給料日が待ち遠しくなっていた

社会人になると、新しい出会いが一気に増えた。職場の人、同期、そこから広がる知り合い。その都度飲み会がある。

それが楽しかった。カッコつけて奢ったりもした。かなり奢った。

気づけば、次の給料日が待ち遠しくなっていた。

それでも実家に住んでいたから、生活が破綻することはない。どうにかなってしまう。だから危機感も本物にはならなかった。頭の中はお花畑。

このままではダメだとは思っていたが、やったことはその場しのぎばかりだった。守りは何もなし。

「このままではだめだ」と思って相談した相手

どうにかしないといけない、という気持ちはあった。

それで相談したのが、保険会社で働いていた従姉妹だった。

今思えば、これが分かれ道だった。ただ当時の自分に、それを疑う理由は一つもない。身内だし騙そうとしているわけがない。実際、騙すつもりなんてなかったと思う。

彼女は本気で、それがいいものだと思って勧めてきていた。会社できちんと教育を受けていて、その内容を信じていた。悪意はどこにもない。

だから止まらなかった。

月3万円の貯蓄型保険と、賢くなった気分

勧められたのは貯蓄型の保険、月3万円。手取りの1割以上だ。

ライフプランの資料を作ってきてくれて、何十年か先までの表になっていて、このまま積み立てればこうなります。という図が並んでいる。

それを見て思った。

こんなに若いうちからこういうことを考えている自分、天才なんじゃないか。とか、勝った!同世代の人間に勝った!という気分になっていた。

めちゃくちゃ満足して何かをやった気になり、そこで思考が止まった。

違和感は先にあった

ただ、しばらくすると引っかかりが出てくる。

毎月3万円。これ、けっこうな金額じゃないか。保険にこれだけ払っていて、自分は今後どうなるんだろう。何が問題なのかは説明できない。ただ何かおかしい気がする、それだけだった。

その違和感を放置したまま、しばらく払い続けることになる。

入院して、時間ができた

転機になったのは怪我だった。入院して、まとまった時間ができる。

やることがなくてベッドの上でスマホを触る日々。それで、お金のことを調べ始めた。

一度始めると止まらなくて、貯蓄型保険の仕組み、手数料、投資信託、証券口座。片っ端から読んでいく。そこでようやく、自分が何に月3万円を払っていたのかが見えてくる。

いてもたってもいられなくて、手続きも全部片づけることにした。証券口座の開設、使っていない銀行口座の解約、クレジットカードの整理。どれも「そのうちやろう」で先延ばしにしていたやつだ。

こういう手続きは、普段だと平日に時間を作らないといけない。24時間勤務をしていると、その一日がなかなか取れない。だから何年も放置してしまう。

入院という強制的な空き時間が、結果的にちょうどよかった。

解約したら、マイナスだった

保険は自分で解約した。従姉妹には事前に相談していない。

返ってきた金額は、それまで払い込んだ額を下回っていた。何十万かのマイナス。正確な数字はもう覚えていないが、明確に減っていたことだけは覚えている。

当然、従姉妹からは連絡が来る。ただそこは、自分で調べた結果いらないと判断したと伝えて、親身に話をした。彼女を責める気持ちはない。

問題は保険会社の商品設計であって、それを信じて売っていた人間ではない。

なぜ短期だと元本割れするのか

理由は単純で、払い込んだ金がそのまま積み立てられているわけじゃないからだ。
営業マンの手数料が引かれ、会社の手数料が引かれ、残った分だけが運用に回る。だから短期で解約すれば元本を下回る。当たり前の構造だった。

逆に長期で持てばプラスになるのは、運用期間が長くなるほど、差し引かれた分を運用益が上回ってくるからだ。

つまりこれは、保険会社に手数料を払いながら投資をしているのと変わらない。同じ金を自分で運用に回せば、その手数料は丸ごと自分のものになる。

損を確定させる判断

そこまで分かってしまえば、答えは出ていた。

とはいえ、マイナスが出ると感情がそこに引っ張られる。ここまで払ったのに、いま解約したら損をする。もう少し続けたほうがいいんじゃないか。そう思ったのは事実だ。

ただ、続けたところで手数料を払い続ける期間が伸びるだけで、失った金を惜しんで、これから失う金を増やす。それでは意味がない。

すぐにやめた。

今の家計はここから始まった

この一件がなければ、たぶん今も何も変わっていない。
入ってきた金をなんとなく使って、なんとなく残して、月3万円を払い続けていたはずだ。しかも「対策済み」だと思い込んだまま。

いま振り返ると、危なかったのは保険そのものより、自分の状態の方だった気がする。

安定した収入があって、金融の知識がなくて、それでいて「どうにかしないと」という焦りだけはある。ここを狙われたら、まず気づけない。しかも入口が身内なら、警戒のしようもない。

解約したあとで、ようやく順番が見えてきた。まず自分が何にいくら使っているのかを把握する。話はそこからだった。家計簿をつけ始めたのも、固定費を見直したのも、証券口座で積み立てを始めたのも、全部そのあとの話になる。

何十万かの授業料は、高くなかったと今は言い切れる。

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